ここで取り上げる記事には、筋トレ(レジスタンストレーニング)をすすめるものが多いのですが、今回も筋トレのポジティブな面をお伝えする内容となっています。
まず、メタボリックシンドロームへの効用について。
メタボリックシンドロームの改善には、有酸素運動とカロリー制限が勧められていますが、筋トレとカロリー制限の組み合わせも有効との報告※もあります。
また、脂肪燃焼には筋トレと有酸素運動の組み合わせが効果的ということは、ダイエットに関係する情報では良く取り上げられているところです。
さらには、メンタル面にも良い影響があるとされています。
糖尿病患者とメタボリックシンドロームの兆候がある人に筋トレを実施したところ、気分の落ち込みが改善されたとの報告※があります。
筋トレ、というとダンベルを負荷にしたきついものというイメージが先立ちますが、以前もご紹介したように、筋トレ=レジスタンストレーニングは、筋肉に繰り返し負荷を与えるもので、自分の体重を用いた踵上げや、スクワットなども該当します。
負担の軽いものから、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
〈レジスタンストレーニングの例〉
・かかと上げトレーニング(10~20回を1日3セット)
立った状態からかかとを上げる
↓
ゆっくりかかとをおろす
(ふらつくときは椅子の背もたれなどに手をついて行いましょう)
※Effect of resistance training and caloric restriction on the metabolic syndrome
Normandin E, Chmelo E, Lyles MF, Marsh AP, Nicklas BJ
Medicine and Science in Sports and Exercise 2017 Mar;49(3):413-419〈br>
※Resistance training improves depressive symptoms in individuals at high risk for type 2 diabetes [with consumer summary]
Levinger I, Selig S, Goodman C, Jerums G, Stewart A, Hare DL
Journal of Strength & Conditioning Research 2011 Aug;25(8):2328-2333
佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
2021年9月10日金曜日
2021年8月29日日曜日
転倒リスクを避けるためにレジスタンストレーニングを
決められた距離をどのくらいの時間で歩けるかを測るテストは、高齢者の歩行能力をはかる手段として用いられています。
歩行スピードを測っているわけですが、歩行スピードが落ちると、転倒のリスクも高くなります。
この、歩行スピードを適切に維持するために有効な運動がレジスタンストレーニングといわれています。
レジスタンストレーニングとは、筋肉に抵抗をかける運動を繰り返し行うトレーニングです。いわゆる筋トレです。
積極的なレジスタンストレーニングが、高齢者が適切な歩行スピードを獲得するのに最も効果的な方法であったと、複数の研究を分析した結果の報告もあります※。
レジスタンストレーニングには、自重やゴムベルト、ダンベルなどが負荷として用いられますが、自重で行えるものには、スクワットや踵あげ、椅子からの起立着席運動などがあります。
日々の生活の中で、転倒のリスクを感じることがある、あるいはすでに転倒をしてしまったことがある、という方もいらっしゃるかと思います。
そういう方は特に、レジスタンストレーニングを生活の中に取り入れて、筋力の維持向上をはかられることをおすすめします。
「What type, or combination of exercise can improve preferred gait speed in older adults? A meta-analysis」 van Abbema R, de Greef M, Craje C, Krijnen W, Hobbelen H, van der Schans C BMC Geriatrics 2015 Jul 1;15(72):Epub
歩行スピードを測っているわけですが、歩行スピードが落ちると、転倒のリスクも高くなります。
この、歩行スピードを適切に維持するために有効な運動がレジスタンストレーニングといわれています。
レジスタンストレーニングとは、筋肉に抵抗をかける運動を繰り返し行うトレーニングです。いわゆる筋トレです。
積極的なレジスタンストレーニングが、高齢者が適切な歩行スピードを獲得するのに最も効果的な方法であったと、複数の研究を分析した結果の報告もあります※。
レジスタンストレーニングには、自重やゴムベルト、ダンベルなどが負荷として用いられますが、自重で行えるものには、スクワットや踵あげ、椅子からの起立着席運動などがあります。
日々の生活の中で、転倒のリスクを感じることがある、あるいはすでに転倒をしてしまったことがある、という方もいらっしゃるかと思います。
そういう方は特に、レジスタンストレーニングを生活の中に取り入れて、筋力の維持向上をはかられることをおすすめします。
「What type, or combination of exercise can improve preferred gait speed in older adults? A meta-analysis」 van Abbema R, de Greef M, Craje C, Krijnen W, Hobbelen H, van der Schans C BMC Geriatrics 2015 Jul 1;15(72):Epub
2021年7月19日月曜日
慢性痛、疲れ対策にも筋力トレーニングはおすすめ
長年の生活習慣や、職場での仕事内容、作業環境により、身体に慢性の痛みを抱えている方は多いと思います。
そのような方に対しては生活環境、労働環境の改善がまず第一に検討されるべきかと思います。
また、日々の体のケアとしては、ストレッチやマッサージなどで対応している場合が多いかと思います。
ここで、ケアのもう一つの手段としてあげたいのが筋力トレーニングです。
筋力トレーニングには、作業動作が楽になる、筋肉量が増えることで骨格を支え姿勢悪化を防ぐ、基礎代謝をあげ血行をよくするといった効果があります。
それに加え、慢性痛が軽減する、疲れにくくなるといった効果も期待できます。<
作業系の労働を行い、慢性痛のある人に筋力トレーニングを10週間実施したところ、上肢の慢性の痛みが軽減し、疲労耐性が向上したとの報告※もあります。
もちろん痛みを抱えながらのトレーニングですので、負荷や姿勢など気を付けなければならない点はあると思います。
> ただ、痛みのみにとらわれて通常のケアだけの方向に向かうのではなく、筋力トレーニングという積極的なケアも取り入れたほうが、よりよい身体のコンディションの獲得につながるということが言えるかと思います。
※「Strength training improves fatigue resistance and self-rated health in workers with chronic pain: a randomized controlled trial」 Sundstrup E, Jakobsen MD, Brandt M, Jay K, Aagaard P, Andersen LL BioMed Research International 2016;(4137918):Epub
そのような方に対しては生活環境、労働環境の改善がまず第一に検討されるべきかと思います。
また、日々の体のケアとしては、ストレッチやマッサージなどで対応している場合が多いかと思います。
ここで、ケアのもう一つの手段としてあげたいのが筋力トレーニングです。
筋力トレーニングには、作業動作が楽になる、筋肉量が増えることで骨格を支え姿勢悪化を防ぐ、基礎代謝をあげ血行をよくするといった効果があります。
それに加え、慢性痛が軽減する、疲れにくくなるといった効果も期待できます。<
作業系の労働を行い、慢性痛のある人に筋力トレーニングを10週間実施したところ、上肢の慢性の痛みが軽減し、疲労耐性が向上したとの報告※もあります。
もちろん痛みを抱えながらのトレーニングですので、負荷や姿勢など気を付けなければならない点はあると思います。
> ただ、痛みのみにとらわれて通常のケアだけの方向に向かうのではなく、筋力トレーニングという積極的なケアも取り入れたほうが、よりよい身体のコンディションの獲得につながるということが言えるかと思います。
※「Strength training improves fatigue resistance and self-rated health in workers with chronic pain: a randomized controlled trial」 Sundstrup E, Jakobsen MD, Brandt M, Jay K, Aagaard P, Andersen LL BioMed Research International 2016;(4137918):Epub
2021年7月4日日曜日
肩こり、首の痛みからくる頭痛には軽い筋トレを
オフィスワークや家事などで肩がこる、首が痛い・・・。
ひどくなると頭も痛くなって悩まされている・・・、という方も多いかと思います。
こういう場合の対処として、マッサージ、ストレッチ、温めるなどがありますが、頸部の軽い筋力トレーニングもおすすめです。
肩こりや頸部痛の症状があるオフィスワーカーに、ゴムチューブを使用したかんたんな筋力トレーニングを実施したところ、頭痛が起こる頻度が減少したとの報告※もあります。
家庭でも実践できるトレーニングとしては、ゴムチューブやタオルなどを後頭部にかけて両端を頭部の前方で持ち、顎を引いた状態で頭部を後方に引く、という方法があります。
そのようにして頸部に軽い抵抗をかけ、頸部周囲の筋肉の収縮を促すことが、症状の緩和につながると考えられます。
ちなみに上記の報告は、2分間のトレーニングを週5日、10週間継続した結果となっています。
お試しください。
※Effect of brief daily exercise on headache among adults -- secondary analysis of a randomized controlled trial
Andersen LL, Mortensen OS, Zebis MK, Jensen RH, Poulsen OM
Scandinavian Journal of Work, Environment & Health 2011 Nov
2021年6月10日木曜日
健康状態の目安となる筋力は?
からだの筋力の状態を把握するのに、どの動作に関わる筋力が評価されているかご存じでしょうか。
上肢では握力、下肢では膝の伸展筋力(膝を伸ばす動作の筋力)の値が用いられている場合が多いようです。
握力は全身の筋力を表すものとしても評価されており、転倒や骨折などのリスクとも強く関連しています。
膝の伸展筋力は、歩行や立ち上がり動作、階段昇段の能力と関係があるとされています。
ケガなどで筋力が損なわれた場合や、高齢の方の健康管理に用いられることの多い指標ですが、健康状態のひとつの目安として知っておかれてもいいのではないかと思います。
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握力はからだの情報を映しだすモニター
握力は全身の筋力の状態を反映するものとして、デイケアなどの高齢者施設では、利用者の方の健康管理の指標に日常的に使われています。 握力については、そのほかにも、身体の機能や状態との関連を示す報告がなされています。 握力の低下とともに、心血管リスク、...
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オフィスワークなどで首が痛くなった、というときの対処法としてストレッチがあります。 インターネット上や書籍には、そういったケースに対応したストレッチの種類がたくさん紹介されていますので、首の痛み、ひどいコリを経験された方は、一度は試されたこともあるかと思います。 多くは、肩周...
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健康管理の要素として、睡眠、栄養、生活習慣などがあげられます。 これらに気を付けることによって、体の免疫機能も良い状態に保たれるわけですが、痛みには免疫の状態が影響するといわれています。 つまり、睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を採り、規則正しい生活を行うことは、健康管理の面...