決められた距離をどのくらいの時間で歩けるかを測るテストは、高齢者の歩行能力をはかる手段として用いられています。
歩行スピードを測っているわけですが、歩行スピードが落ちると、転倒のリスクも高くなります。
この、歩行スピードを適切に維持するために有効な運動がレジスタンストレーニングといわれています。
レジスタンストレーニングとは、筋肉に抵抗をかける運動を繰り返し行うトレーニングです。いわゆる筋トレです。
積極的なレジスタンストレーニングが、高齢者が適切な歩行スピードを獲得するのに最も効果的な方法であったと、複数の研究を分析した結果の報告もあります※。
レジスタンストレーニングには、自重やゴムベルト、ダンベルなどが負荷として用いられますが、自重で行えるものには、スクワットや踵あげ、椅子からの起立着席運動などがあります。
日々の生活の中で、転倒のリスクを感じることがある、あるいはすでに転倒をしてしまったことがある、という方もいらっしゃるかと思います。
そういう方は特に、レジスタンストレーニングを生活の中に取り入れて、筋力の維持向上をはかられることをおすすめします。
「What type, or combination of exercise can improve preferred gait speed in older adults? A meta-analysis」
van Abbema R, de Greef M, Craje C, Krijnen W, Hobbelen H, van der Schans C
BMC Geriatrics 2015 Jul 1;15(72):Epub
佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
2021年8月29日日曜日
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