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2021年8月22日日曜日

変形性膝関節症のリハビリは、ダイエットで効果増

変形性膝関節症のリハビリには、運動療法として大腿四頭筋、臀部の筋肉の訓練などがあります。



膝関節や骨盤帯の安定を目的としていますが、リハビリの効果をさらにあげるには、同時に体重を減らすことが大事なようです。



肥満傾向のある高齢者で変形性膝関節症を抱える人に対して、運動療法とダイエットを分けて実施した場合と、並行して実施した場合とで比較した研究※があります。



それによると、ダイエットと運動療法を並行して実施したほうが、膝の痛みの軽減や、決められた時間内での歩行距離の延長など、良い結果が出たと報告しています。



体重減少により膝関節への負担が軽くなったことが原因として考えられます。



さて、ダイエットをするには、健康状態に留意してカロリー制限することと、有酸素運動が必要になってくるわけですが、運動は、膝の痛みを悪化させないよう、適切な種目、負荷で実施する必要があります。



膝が痛くならない範囲での速歩き、浮力により膝への負荷を軽くした水中での歩行などが勧められますが、膝への負担を軽くした状態で有酸素運動ができるマシーンもあります。(当クリニック併設のジムにも設置しています)



変形性膝関節症を抱える方のリハビリ、運動のご参考になれば幸いです。



※「Exercise and dietary weight loss in overweight and obese older adults with knee osteoarthritis: the arthritis, diet, and activity promotion trial」 Messier SP, Loeser RF, Miller GD, Morgan TM, Rejeski WJ, Sevick MA, Ettinger WH Jr, Pahor M, Williamson JD Arthritis and Rheumatism 2004 May;50(5):1501-1510

2021年8月11日水曜日

変形性膝関節症の方のホームエクササイズに

変形性膝関節症のリハビリでは、大腿四頭筋という太ももの筋肉の筋力訓練を行ってもらう場合があります。



膝を曲げた状態から伸ばす運動ですが、膝周囲筋の筋力増強による膝関節の安定、膝周囲組織の収縮による疼痛の緩和などを目的としています。



ホームエクササイズとしても実践できるので、行っていただくようお伝えしています。



ここで、エクササイズとして加えると効果的なのが、臀部の筋肉である大殿筋、中殿筋の筋力訓練です。



複数の文献レビュー(論文を集めて精査したもの)で、臀部の筋肉の筋力訓練が、変形性膝関節症や膝関節の痛みに対して有効であると報告されています※。



骨盤帯の安定が影響するためと考えられます。



大殿筋の筋力訓練ですが、うつ伏せになって、膝を伸ばした状態で、臀部の筋肉を意識して下肢を交互にあげるという方法があります。



水泳でバタ足をしているのと同じ状態です。



意識していただきたいのは、膝を伸ばした状態で行うということです。



中殿筋の筋力訓練は、横向きに寝て、上側の下肢を膝を伸ばしたまま天井に向けて垂直にあげるという方法があります。



注意すべき点は、横になって足をあげるとき、股関節を曲げないことです。



変形性膝関節症や、膝関節の痛みを抱えている方は、大腿四頭筋の訓練に加えて実践してみてください。



※「Hip muscle strengthening for knee osteoarthritis: a systematic review of literature」 Raghava Neelapala YV, Bhagat M, Shah P Journal of Geriatric Physical Therapy 2020 Apr-Jun;43(2):89-98 「Hip and knee strengthening is more effective than knee strengthening alone for reducing pain and improving activity in individuals with patellofemoral pain: a systematic review with meta-analysis」 [with consumer summary] Nascimento LR, Teixeira-Salmela LF, Souza RB, Resende RA The Journal of Orthopaedic and Sports Physical Therapy 2018 Jan;48(1):19-31

2021年7月25日日曜日

慢性の腰痛を抱える人におすすめの活動は?

腰痛を訴えてきた方に対しては、多くの場合、リハビリとして運動療法が処方されます。



その有効性、エビデンスは証明されていますが、状態がある程度改善したあとは、どのような活動を行っていけばいいのでしょうか。



この点について調べた文献レビュー(多くの論文を精査してまとめたもの)※があります。



それによると、水泳やウォーキング、サイクリングなど中等度の運動強度で行われるものは、身体の健康を維持し疼痛をコントロールするのを補う、としています。



また、テニス、乗馬、武道、体操、ゴルフ、ランニングなどのスポーツは、低負荷もしくは低い競争心のレベルで行うことができるとも指摘しています。



以上をまとめて、中等度の運動強度で規則的な身体活動は、慢性腰痛患者のフィットネスを改善するのを補い、急性の疼痛のリスクを増やすことはないとの見解を示しています。



以前はスポーツをよく行っていたが、腰痛発症後、それが慢性となっている状態ではとくに何もしていない、という方は多いと思います。



悪化するのが怖いというnのが一番の理由ではないでしょうか。



しかし、報告のように、慢性腰痛となっても過度に再発を怖がらずに、できる活動を選んで実践していくことが、健康の維持、痛みの管理の点からも大事なようです。



※「Which physical activities and sports can be recommended to chronic low back pain patients after rehabilitation?」 Ribaud A, Tavares I, Viollet E, Julia M, Herisson C, Dupeyron A Annals of Physical and Rehabilitation Medicine 2013 Oct;56(7-8):576-594 systematic review

2021年6月25日金曜日

運動の効果をあげる環境とは

定期的な運動習慣によって、腰痛や肩こりなど、日常生活を送る中で生じる痛みを防ぐことができる、ということはご存じの方も多いのではないかと思います。



でも、それを実践するのがなかなか難しいですよね。



では、運動をどういう環境で行ったら積極的に参加でき、効果を高めることができるのでしょうか。



この点について、運動を職場で実施した場合と、家庭で実施した場合とで比較した研究※があります。



それによると、職場で就業時間中に運動を行った人のほうが、家庭で余暇の時間に運動を行った人より、頸、肩、腰の痛みが減り、鎮痛剤の使用も減ったなどの結果が出たそうです。



職場の方がまじめに取り組みやすい、ということでしょうか。



ここから言えそうなのは、周りに同じ目的の人がいると、運動にも集中しやすく、自己流におちいらないので効果があがる、ということではないかと思います。



サークルなどに入って運動するのがおっくうだという方も、運動に最適な環境づくりと割り切って参加するという考え方もあるかもしれません。



※「Effect of workplace- versus home-based physical exercise on musculoskeletal pain among healthcare workers: a cluster randomized controlled trial」



Jakobsen MD, Sundstrup E, Brandt M, Jay K, Aagaard P, Andersen LL

2021年6月10日木曜日

健康状態の目安となる筋力は?



からだの筋力の状態を把握するのに、どの動作に関わる筋力が評価されているかご存じでしょうか。


上肢では握力、下肢では膝の伸展筋力(膝を伸ばす動作の筋力)の値が用いられている場合が多いようです。


握力は全身の筋力を表すものとしても評価されており、転倒や骨折などのリスクとも強く関連しています。


膝の伸展筋力は、歩行や立ち上がり動作、階段昇段の能力と関係があるとされています。


ケガなどで筋力が損なわれた場合や、高齢の方の健康管理に用いられることの多い指標ですが、健康状態のひとつの目安として知っておかれてもいいのではないかと思います。

握力はからだの情報を映しだすモニター

握力は全身の筋力の状態を反映するものとして、デイケアなどの高齢者施設では、利用者の方の健康管理の指標に日常的に使われています。 握力については、そのほかにも、身体の機能や状態との関連を示す報告がなされています。 握力の低下とともに、心血管リスク、...