適度な運動は、睡眠にも良い影響を与えるということは、経験上分かっているという方も多いと思います。
手軽にできる運動(活動)が睡眠に与える影響について検証したところ、中等度~強度の身体活動を行った場合、不眠症状が緩和し、気分の落ち込みや不安の訴えについても減少がみられたと報告※しています。
ここでいう「中等度~強度の身体活動」についてですが、運動や身体活動の強度について示す「METS(メッツ)」という単位を使うと、3~6METS(メッツ)に相当します。
「METS(メッツ)」とは、安静時を1とした時と比較して、何倍のエネルギーを消費するか活動の強度を示すものです。
生活動作、運動で、それぞれどのような活動が何メッツにあたるか一部を示すと、
<生活動作>
・3.0メッツ
普通歩行(67m/分 犬を連れて)、子供の世話、電動アシスト付き自転車、ギター演奏(立位)
・3.3メッツ
フロア拭き、掃除、電気配線の工事、身体の動きを伴うスポーツ観戦
・3.5メッツ
歩行(75~85m/分 ほどほどの速さ 散歩) 子供と遊ぶ(歩く/走る 中強度) 庭の草むしり 釣り
<運動>
・3.0メッツ
ボウリング、バレーボール、社交ダンス、ピラティス、太極拳
・3.5メッツ
自転車エルゴメーター(30~50ワット) 自重を使った軽い筋トレ、ゴルフ、カヌー
・3.8メッツ
全身を使ったテレビゲーム(スポーツ、ダンス)
となっています。(厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準 2013」より)
運動強度を基準に考えると、掃除や草むしりなどの生活動作も、睡眠に対して効果的な活動であるということを、あらためて知ることができます。
良い睡眠を得るために、一般的な運動のみにとらわれることなく、生活動作や趣味の活動でも効果が期待できるということは、知っておいてもいいことではないかと思います。
※「Increased physical activity improves sleep and mood outcomes in inactice people with insomania:a randomized controlled trial(2015)」
Iuliana Hartescu Kevin Morgan Clare D. Stevinson
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佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
2021年8月4日水曜日
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