腰痛を訴えてきた方に対しては、多くの場合、リハビリとして運動療法が処方されます。
その有効性、エビデンスは証明されていますが、状態がある程度改善したあとは、どのような活動を行っていけばいいのでしょうか。
この点について調べた文献レビュー(多くの論文を精査してまとめたもの)※があります。
それによると、水泳やウォーキング、サイクリングなど中等度の運動強度で行われるものは、身体の健康を維持し疼痛をコントロールするのを補う、としています。
また、テニス、乗馬、武道、体操、ゴルフ、ランニングなどのスポーツは、低負荷もしくは低い競争心のレベルで行うことができるとも指摘しています。
以上をまとめて、中等度の運動強度で規則的な身体活動は、慢性腰痛患者のフィットネスを改善するのを補い、急性の疼痛のリスクを増やすことはないとの見解を示しています。
以前はスポーツをよく行っていたが、腰痛発症後、それが慢性となっている状態ではとくに何もしていない、という方は多いと思います。
悪化するのが怖いというnのが一番の理由ではないでしょうか。
しかし、報告のように、慢性腰痛となっても過度に再発を怖がらずに、できる活動を選んで実践していくことが、健康の維持、痛みの管理の点からも大事なようです。
※「Which physical activities and sports can be recommended to chronic low back pain patients after rehabilitation?」
Ribaud A, Tavares I, Viollet E, Julia M, Herisson C, Dupeyron A
Annals of Physical and Rehabilitation Medicine 2013 Oct;56(7-8):576-594
systematic review
佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
2021年7月25日日曜日
2021年7月19日月曜日
慢性痛、疲れ対策にも筋力トレーニングはおすすめ
長年の生活習慣や、職場での仕事内容、作業環境により、身体に慢性の痛みを抱えている方は多いと思います。
そのような方に対しては生活環境、労働環境の改善がまず第一に検討されるべきかと思います。
また、日々の体のケアとしては、ストレッチやマッサージなどで対応している場合が多いかと思います。
ここで、ケアのもう一つの手段としてあげたいのが筋力トレーニングです。
筋力トレーニングには、作業動作が楽になる、筋肉量が増えることで骨格を支え姿勢悪化を防ぐ、基礎代謝をあげ血行をよくするといった効果があります。
それに加え、慢性痛が軽減する、疲れにくくなるといった効果も期待できます。<
作業系の労働を行い、慢性痛のある人に筋力トレーニングを10週間実施したところ、上肢の慢性の痛みが軽減し、疲労耐性が向上したとの報告※もあります。
もちろん痛みを抱えながらのトレーニングですので、負荷や姿勢など気を付けなければならない点はあると思います。
> ただ、痛みのみにとらわれて通常のケアだけの方向に向かうのではなく、筋力トレーニングという積極的なケアも取り入れたほうが、よりよい身体のコンディションの獲得につながるということが言えるかと思います。
※「Strength training improves fatigue resistance and self-rated health in workers with chronic pain: a randomized controlled trial」 Sundstrup E, Jakobsen MD, Brandt M, Jay K, Aagaard P, Andersen LL BioMed Research International 2016;(4137918):Epub
そのような方に対しては生活環境、労働環境の改善がまず第一に検討されるべきかと思います。
また、日々の体のケアとしては、ストレッチやマッサージなどで対応している場合が多いかと思います。
ここで、ケアのもう一つの手段としてあげたいのが筋力トレーニングです。
筋力トレーニングには、作業動作が楽になる、筋肉量が増えることで骨格を支え姿勢悪化を防ぐ、基礎代謝をあげ血行をよくするといった効果があります。
それに加え、慢性痛が軽減する、疲れにくくなるといった効果も期待できます。<
作業系の労働を行い、慢性痛のある人に筋力トレーニングを10週間実施したところ、上肢の慢性の痛みが軽減し、疲労耐性が向上したとの報告※もあります。
もちろん痛みを抱えながらのトレーニングですので、負荷や姿勢など気を付けなければならない点はあると思います。
> ただ、痛みのみにとらわれて通常のケアだけの方向に向かうのではなく、筋力トレーニングという積極的なケアも取り入れたほうが、よりよい身体のコンディションの獲得につながるということが言えるかと思います。
※「Strength training improves fatigue resistance and self-rated health in workers with chronic pain: a randomized controlled trial」 Sundstrup E, Jakobsen MD, Brandt M, Jay K, Aagaard P, Andersen LL BioMed Research International 2016;(4137918):Epub
2021年6月4日金曜日
痛みと免疫の関係
健康管理の要素として、睡眠、栄養、生活習慣などがあげられます。
これらに気を付けることによって、体の免疫機能も良い状態に保たれるわけですが、痛みには免疫の状態が影響するといわれています。
つまり、睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を採り、規則正しい生活を行うことは、健康管理の面だけでなく、痛みを抑えるという面からも重要なようです。
また、免疫系は精神状況にも影響するといわれており、免疫機能により、痛みを過敏に感じないような心の状態を保つことができるといえます。
免疫機能を良い状態に保っていると、ケガ、故障の際に、痛みによる活動性の低下を最小限に防ぐことができるかもしれません。
痛みと免疫の関係に注目すると、あらためて日々の健康管理の大切さを感じます。
※「Nociception and role of immune system in pain」
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