腰痛を訴えてきた方に対しては、多くの場合、リハビリとして運動療法が処方されます。
その有効性、エビデンスは証明されていますが、状態がある程度改善したあとは、どのような活動を行っていけばいいのでしょうか。
この点について調べた文献レビュー(多くの論文を精査してまとめたもの)※があります。
それによると、水泳やウォーキング、サイクリングなど中等度の運動強度で行われるものは、身体の健康を維持し疼痛をコントロールするのを補う、としています。
また、テニス、乗馬、武道、体操、ゴルフ、ランニングなどのスポーツは、低負荷もしくは低い競争心のレベルで行うことができるとも指摘しています。
以上をまとめて、中等度の運動強度で規則的な身体活動は、慢性腰痛患者のフィットネスを改善するのを補い、急性の疼痛のリスクを増やすことはないとの見解を示しています。
以前はスポーツをよく行っていたが、腰痛発症後、それが慢性となっている状態ではとくに何もしていない、という方は多いと思います。
悪化するのが怖いというnのが一番の理由ではないでしょうか。
しかし、報告のように、慢性腰痛となっても過度に再発を怖がらずに、できる活動を選んで実践していくことが、健康の維持、痛みの管理の点からも大事なようです。
※「Which physical activities and sports can be recommended to chronic low back pain patients after rehabilitation?」
Ribaud A, Tavares I, Viollet E, Julia M, Herisson C, Dupeyron A
Annals of Physical and Rehabilitation Medicine 2013 Oct;56(7-8):576-594
systematic review
佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
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