変形性膝関節症のリハビリには、運動療法として大腿四頭筋、臀部の筋肉の訓練などがあります。
膝関節や骨盤帯の安定を目的としていますが、リハビリの効果をさらにあげるには、同時に体重を減らすことが大事なようです。
肥満傾向のある高齢者で変形性膝関節症を抱える人に対して、運動療法とダイエットを分けて実施した場合と、並行して実施した場合とで比較した研究※があります。
それによると、ダイエットと運動療法を並行して実施したほうが、膝の痛みの軽減や、決められた時間内での歩行距離の延長など、良い結果が出たと報告しています。
体重減少により膝関節への負担が軽くなったことが原因として考えられます。
さて、ダイエットをするには、健康状態に留意してカロリー制限することと、有酸素運動が必要になってくるわけですが、運動は、膝の痛みを悪化させないよう、適切な種目、負荷で実施する必要があります。
膝が痛くならない範囲での速歩き、浮力により膝への負荷を軽くした水中での歩行などが勧められますが、膝への負担を軽くした状態で有酸素運動ができるマシーンもあります。(当クリニック併設のジムにも設置しています)
変形性膝関節症を抱える方のリハビリ、運動のご参考になれば幸いです。
※「Exercise and dietary weight loss in overweight and obese older adults with knee osteoarthritis: the arthritis, diet, and activity promotion trial」
Messier SP, Loeser RF, Miller GD, Morgan TM, Rejeski WJ, Sevick MA, Ettinger WH Jr, Pahor M, Williamson JD
Arthritis and Rheumatism 2004 May;50(5):1501-1510
佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
握力はからだの情報を映しだすモニター
握力は全身の筋力の状態を反映するものとして、デイケアなどの高齢者施設では、利用者の方の健康管理の指標に日常的に使われています。 握力については、そのほかにも、身体の機能や状態との関連を示す報告がなされています。 握力の低下とともに、心血管リスク、...
-
スマホの使い過ぎが、頸部痛や頸肩腕症候群の原因になっていることは、よく指摘されています。 では、具体的にどのような操作の負担が大きいのでしょうか。 スマホでの代表的な3つの操作 1)テキストメッセージ、2)ウェブブラウズ、3)動画視聴を行っているときの頸の角度を調べた研究※があり...
-
オフィスワークなどで首が痛くなった、というときの対処法としてストレッチがあります。 インターネット上や書籍には、そういったケースに対応したストレッチの種類がたくさん紹介されていますので、首の痛み、ひどいコリを経験された方は、一度は試されたこともあるかと思います。 多くは、肩周...
-
健康管理の要素として、睡眠、栄養、生活習慣などがあげられます。 これらに気を付けることによって、体の免疫機能も良い状態に保たれるわけですが、痛みには免疫の状態が影響するといわれています。 つまり、睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を採り、規則正しい生活を行うことは、健康管理の面...
0 件のコメント:
コメントを投稿