佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
2021年6月25日金曜日
運動の効果をあげる環境とは
でも、それを実践するのがなかなか難しいですよね。
では、運動をどういう環境で行ったら積極的に参加でき、効果を高めることができるのでしょうか。
この点について、運動を職場で実施した場合と、家庭で実施した場合とで比較した研究※があります。
それによると、職場で就業時間中に運動を行った人のほうが、家庭で余暇の時間に運動を行った人より、頸、肩、腰の痛みが減り、鎮痛剤の使用も減ったなどの結果が出たそうです。
職場の方がまじめに取り組みやすい、ということでしょうか。
ここから言えそうなのは、周りに同じ目的の人がいると、運動にも集中しやすく、自己流におちいらないので効果があがる、ということではないかと思います。
サークルなどに入って運動するのがおっくうだという方も、運動に最適な環境づくりと割り切って参加するという考え方もあるかもしれません。
※「Effect of workplace- versus home-based physical exercise on musculoskeletal pain among healthcare workers: a cluster randomized controlled trial」
Jakobsen MD, Sundstrup E, Brandt M, Jay K, Aagaard P, Andersen LL
2021年6月18日金曜日
ストレッチの適切な時間は?
健康法のひとつとして、日常的に実施しているという方も多いと思います。
効果をあげるには、息を止めない、ストレッチする筋をイメージする、過度な伸張を行わない、などがあげられますが、では、最適なストレッチの時間はどのくらいなのでしょうか。
頸部に慢性の筋筋膜性疼痛を持つ患者に対してストレッチを実施したケースでは、頸部の神経への影響が少なく、効果を最大限にもたらすストレッチの時間は30秒だった(15秒、60秒との比較)との報告※があります。
パソコン操作で首がこってる、というような場合に行うストレッチの時間の目安としてみてはいかがでしょうか。
※「Optimal duration of stretching exercise in patients with chronic myofascial pain syndrome: a randomized controlled trial [with consumer summary]」 Mansoori SS, Moustafa IM, Ahbouch A, Harrison DE
2021年6月13日日曜日
ダイエットと運動のコンビは認知面にも良い影響が
あらためてお伝えするまでもありませんが、適切なダイエットは健康のためにいいとされています。
生活習慣病や変形性膝関節症の発症リスクを抑えることができるということも、よく知られているところです。
さて、体に様々な良い影響を与えるダイエットですが、認知面のパフォーマンスにも良い影響を与えるとの報告※があります。
また、身体的な活動は、アルツハイマー病を罹患させた動物モデルに対して、認知機能に良い影響を与えたということも同じ研究で報告されています。
これらのことから、ダイエットと身体活動のコンビネーションは、アルツハイマー病を予防したり、発症を遅らせる可能性があると研究は結論づけています。
体重管理を行いながら、適切な運動を継続するということは、単なる健康の維持にとどまらず、大きな意味を持つと言えるようです。
※「Can Diet and Physical Activity Limit Alzheimer's Disease Risk?(Curr Alzheimer Res.2017)」
Shraddha D Rege, Thangiah Geetha 1, Tom L Broderick, Jeganathan Ramesh Babu
2021年6月10日木曜日
健康状態の目安となる筋力は?
からだの筋力の状態を把握するのに、どの動作に関わる筋力が評価されているかご存じでしょうか。
上肢では握力、下肢では膝の伸展筋力(膝を伸ばす動作の筋力)の値が用いられている場合が多いようです。
握力は全身の筋力を表すものとしても評価されており、転倒や骨折などのリスクとも強く関連しています。
膝の伸展筋力は、歩行や立ち上がり動作、階段昇段の能力と関係があるとされています。
ケガなどで筋力が損なわれた場合や、高齢の方の健康管理に用いられることの多い指標ですが、健康状態のひとつの目安として知っておかれてもいいのではないかと思います。
2021年6月7日月曜日
好きな音楽を聴くと運動効果があがる
それによると、好みの音楽ジャンルを聞いて運動をしたグループは、運動時の最大筋力、筋持久力が向上し、「きつさ」を自覚する指標では減少がみられたとのこと。
さて、リハビリの際、ご家庭でやっていただきたい運動をホームワークとして指導をすることがあります。
面倒だなと思う場合は、好みの音楽をBGMにして実施して頂くと、気分よく始めるきっかけにもなり効果もあがるのではないでしょうか。
ちなみに当院のリハビリ室には、ヒーリングミュージックが流れています。
落ち着いた雰囲気がいいと、幅広い層に好評です。
Preferred Music Genre Benefits During Strength Tests: Increased Maximal Strength and Strength-Endurance and Reduced Perceived Exertion.
Nilson Ribeiro dos Santos Silva, Felipe Gabriel Rizardi, Rafael Akira Fujita, ...
2021年6月4日金曜日
痛みと免疫の関係
健康管理の要素として、睡眠、栄養、生活習慣などがあげられます。
これらに気を付けることによって、体の免疫機能も良い状態に保たれるわけですが、痛みには免疫の状態が影響するといわれています。
つまり、睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を採り、規則正しい生活を行うことは、健康管理の面だけでなく、痛みを抑えるという面からも重要なようです。
また、免疫系は精神状況にも影響するといわれており、免疫機能により、痛みを過敏に感じないような心の状態を保つことができるといえます。
免疫機能を良い状態に保っていると、ケガ、故障の際に、痛みによる活動性の低下を最小限に防ぐことができるかもしれません。
痛みと免疫の関係に注目すると、あらためて日々の健康管理の大切さを感じます。
2021年6月3日木曜日
ストレッチの効果が出るのはいつごろから?
オフィスワークなどで首が痛くなった、というときの対処法としてストレッチがあります。
インターネット上や書籍には、そういったケースに対応したストレッチの種類がたくさん紹介されていますので、首の痛み、ひどいコリを経験された方は、一度は試されたこともあるかと思います。
多くは、肩周囲の筋肉や、頸を回す、曲げる、伸ばす、横に倒すなどの動作に関わる筋肉をストレッチするものです。
ただ、それを継続して実践し続けた方は少ないのではないでしょうか。
では、どの位続けたら効果があらわれるのか。
研究※によると、オフィスワークによる頸部痛を抱えた人に対してストレッチを実践してもらったところ、週に5日、1日2回、4週間継続したグループで効果がみられたとのこと。
健康食品のCMではありませんが、まずは4週間、続けてみることが大事なようです。
ストレッチ実践中に過度な違和感、痛みを感じる場合は、医療機関にご相談を。
※「The effectiveness of a neck and shoulder stretching exercise program among office workers with neck pain: a randomized controlled trial [with consumer summary] (Clinical Rehabilitation 2016 Jan)」
Tunwattanapong P, Kongkasuwan R, Kuptniratsaikul V
2021年6月2日水曜日
スマホでテキストを打つときは首の角度に注意を
では、具体的にどのような操作の負担が大きいのでしょうか。
スマホでの代表的な3つの操作 1)テキストメッセージ、2)ウェブブラウズ、3)動画視聴を行っているときの頸の角度を調べた研究※があります。
その研究によると、座ってテキストメッセージを打ち込む作業をしているときの頭部の屈曲角度が一番大きかったとのこと。
深く首を曲げる姿勢が長いと、当然ながら首に負担が生じることになります。
LINEやメールなどテキストメッセージをスマホで打ち込むときは、なるべく画面をあげて操作するよう気を付けたほうがいいようです。
ついつい夢中になって、長いメッセージ交換になってしまいそうなときはとくに注意を。
※「Head flexion angle while using a smartphone(2014)」
Sojeong Lee 1, Hwayeong Kang, Gwanseob Shin
握力はからだの情報を映しだすモニター
握力は全身の筋力の状態を反映するものとして、デイケアなどの高齢者施設では、利用者の方の健康管理の指標に日常的に使われています。 握力については、そのほかにも、身体の機能や状態との関連を示す報告がなされています。 握力の低下とともに、心血管リスク、...
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