2021年6月10日木曜日

健康状態の目安となる筋力は?



からだの筋力の状態を把握するのに、どの動作に関わる筋力が評価されているかご存じでしょうか。


上肢では握力、下肢では膝の伸展筋力(膝を伸ばす動作の筋力)の値が用いられている場合が多いようです。


握力は全身の筋力を表すものとしても評価されており、転倒や骨折などのリスクとも強く関連しています。


膝の伸展筋力は、歩行や立ち上がり動作、階段昇段の能力と関係があるとされています。


ケガなどで筋力が損なわれた場合や、高齢の方の健康管理に用いられることの多い指標ですが、健康状態のひとつの目安として知っておかれてもいいのではないかと思います。

2021年6月7日月曜日

好きな音楽を聴くと運動効果があがる



運動をするときに、好みの音楽をかけるとパフォーマンスが向上するか調べた研究※があります。


それによると、好みの音楽ジャンルを聞いて運動をしたグループは、運動時の最大筋力、筋持久力が向上し、「きつさ」を自覚する指標では減少がみられたとのこと。


さて、リハビリの際、ご家庭でやっていただきたい運動をホームワークとして指導をすることがあります。


面倒だなと思う場合は、好みの音楽をBGMにして実施して頂くと、気分よく始めるきっかけにもなり効果もあがるのではないでしょうか。


ちなみに当院のリハビリ室には、ヒーリングミュージックが流れています。


落ち着いた雰囲気がいいと、幅広い層に好評です。


Preferred Music Genre Benefits During Strength Tests: Increased Maximal Strength and Strength-Endurance and Reduced Perceived Exertion.

Nilson Ribeiro dos Santos Silva, Felipe Gabriel Rizardi, Rafael Akira Fujita, ...

2021年6月4日金曜日

痛みと免疫の関係


健康管理の要素として、睡眠、栄養、生活習慣などがあげられます。


これらに気を付けることによって、体の免疫機能も良い状態に保たれるわけですが、痛みには免疫の状態が影響するといわれています。


つまり、睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を採り、規則正しい生活を行うことは、健康管理の面だけでなく、痛みを抑えるという面からも重要なようです。


また、免疫系は精神状況にも影響するといわれており、免疫機能により、痛みを過敏に感じないような心の状態を保つことができるといえます。


免疫機能を良い状態に保っていると、ケガ、故障の際に、痛みによる活動性の低下を最小限に防ぐことができるかもしれません。


痛みと免疫の関係に注目すると、あらためて日々の健康管理の大切さを感じます。


「Nociception and role of immune system in pain」

2021年6月3日木曜日

ストレッチの効果が出るのはいつごろから?

 


オフィスワークなどで首が痛くなった、というときの対処法としてストレッチがあります。


インターネット上や書籍には、そういったケースに対応したストレッチの種類がたくさん紹介されていますので、首の痛み、ひどいコリを経験された方は、一度は試されたこともあるかと思います。


多くは、肩周囲の筋肉や、頸を回す、曲げる、伸ばす、横に倒すなどの動作に関わる筋肉をストレッチするものです。


ただ、それを継続して実践し続けた方は少ないのではないでしょうか。


では、どの位続けたら効果があらわれるのか。


研究※によると、オフィスワークによる頸部痛を抱えた人に対してストレッチを実践してもらったところ、週に5日、1日2回、4週間継続したグループで効果がみられたとのこと。


健康食品のCMではありませんが、まずは4週間、続けてみることが大事なようです。


ストレッチ実践中に過度な違和感、痛みを感じる場合は、医療機関にご相談を。


※「The effectiveness of a neck and shoulder stretching exercise program among office workers with neck pain: a randomized controlled trial [with consumer summary] (Clinical Rehabilitation 2016 Jan)

Tunwattanapong P, Kongkasuwan R, Kuptniratsaikul V

2021年6月2日水曜日

スマホでテキストを打つときは首の角度に注意を


スマホの使い過ぎが、頸部痛や頸肩腕症候群の原因になっていることは、よく指摘されています。


では、具体的にどのような操作の負担が大きいのでしょうか。


スマホでの代表的な3つの操作 1)テキストメッセージ、2)ウェブブラウズ、3)動画視聴を行っているときの頸の角度を調べた研究※があります。


その研究によると、座ってテキストメッセージを打ち込む作業をしているときの頭部の屈曲角度が一番大きかったとのこと。


深く首を曲げる姿勢が長いと、当然ながら首に負担が生じることになります。


LINEやメールなどテキストメッセージをスマホで打ち込むときは、なるべく画面をあげて操作するよう気を付けたほうがいいようです。


ついつい夢中になって、長いメッセージ交換になってしまいそうなときはとくに注意を。


※「Head flexion angle while using a smartphone2014)」

Sojeong Lee 1, Hwayeong Kang, Gwanseob Shin

握力はからだの情報を映しだすモニター

握力は全身の筋力の状態を反映するものとして、デイケアなどの高齢者施設では、利用者の方の健康管理の指標に日常的に使われています。 握力については、そのほかにも、身体の機能や状態との関連を示す報告がなされています。 握力の低下とともに、心血管リスク、...