握力は全身の筋力の状態を反映するものとして、デイケアなどの高齢者施設では、利用者の方の健康管理の指標に日常的に使われています。
握力については、そのほかにも、身体の機能や状態との関連を示す報告がなされています。
握力の低下とともに、心血管リスク、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが増加する、との研究結果※や、握力と睡眠の質とが関係しているとする調査結果※もあります。
また、認知症患者に握力の訓練を実施したところ、尿失禁、排泄機能、日常生活動作全般に改善がみられたとする報告※もあります。
握力を測定すること、手指を動かすことは簡単なことですが、身体の情報を伝える貴重なバロメーターとなり、機能回復の入口にもなっているようです。
「Sleep Quality and Attention May Correlate With Hand Grip Strength: FARM Study.」
Lee Gyuhyun ,Baek Sora ,Park Hee-Won ,Kang Eun Kyoung
Annals of rehabilitation medicine(Ann Rehabil Med)2018Dec01
「Effect of passive finger exercises on grip strength and the ability to perform activities of daily living for older people with dementia: a 12-week randomized controlled trial」
Bingbing Liu 1, Xueping Chen 1, Yang Li 1, Hui Liu 2, Shasha Guo 2, Ping Yu 3
「A weak handshake could mean an early death」 McMaster University
「Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study」
佐賀県武雄市のなごみといやしのクリニック内にあるリハビリテーション科のブログです。リハビリや健康について、みなさまのお役に立てるような情報をお届けしていきたいと思います。
2021年9月12日日曜日
2021年9月10日金曜日
筋トレの効用
ここで取り上げる記事には、筋トレ(レジスタンストレーニング)をすすめるものが多いのですが、今回も筋トレのポジティブな面をお伝えする内容となっています。
まず、メタボリックシンドロームへの効用について。
メタボリックシンドロームの改善には、有酸素運動とカロリー制限が勧められていますが、筋トレとカロリー制限の組み合わせも有効との報告※もあります。
また、脂肪燃焼には筋トレと有酸素運動の組み合わせが効果的ということは、ダイエットに関係する情報では良く取り上げられているところです。
さらには、メンタル面にも良い影響があるとされています。
糖尿病患者とメタボリックシンドロームの兆候がある人に筋トレを実施したところ、気分の落ち込みが改善されたとの報告※があります。
筋トレ、というとダンベルを負荷にしたきついものというイメージが先立ちますが、以前もご紹介したように、筋トレ=レジスタンストレーニングは、筋肉に繰り返し負荷を与えるもので、自分の体重を用いた踵上げや、スクワットなども該当します。
負担の軽いものから、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
〈レジスタンストレーニングの例〉
・かかと上げトレーニング(10~20回を1日3セット)
立った状態からかかとを上げる
↓
ゆっくりかかとをおろす
(ふらつくときは椅子の背もたれなどに手をついて行いましょう)
※Effect of resistance training and caloric restriction on the metabolic syndrome Normandin E, Chmelo E, Lyles MF, Marsh AP, Nicklas BJ Medicine and Science in Sports and Exercise 2017 Mar;49(3):413-419〈br> ※Resistance training improves depressive symptoms in individuals at high risk for type 2 diabetes [with consumer summary] Levinger I, Selig S, Goodman C, Jerums G, Stewart A, Hare DL Journal of Strength & Conditioning Research 2011 Aug;25(8):2328-2333
まず、メタボリックシンドロームへの効用について。
メタボリックシンドロームの改善には、有酸素運動とカロリー制限が勧められていますが、筋トレとカロリー制限の組み合わせも有効との報告※もあります。
また、脂肪燃焼には筋トレと有酸素運動の組み合わせが効果的ということは、ダイエットに関係する情報では良く取り上げられているところです。
さらには、メンタル面にも良い影響があるとされています。
糖尿病患者とメタボリックシンドロームの兆候がある人に筋トレを実施したところ、気分の落ち込みが改善されたとの報告※があります。
筋トレ、というとダンベルを負荷にしたきついものというイメージが先立ちますが、以前もご紹介したように、筋トレ=レジスタンストレーニングは、筋肉に繰り返し負荷を与えるもので、自分の体重を用いた踵上げや、スクワットなども該当します。
負担の軽いものから、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
〈レジスタンストレーニングの例〉
・かかと上げトレーニング(10~20回を1日3セット)
立った状態からかかとを上げる
↓
ゆっくりかかとをおろす
(ふらつくときは椅子の背もたれなどに手をついて行いましょう)
※Effect of resistance training and caloric restriction on the metabolic syndrome Normandin E, Chmelo E, Lyles MF, Marsh AP, Nicklas BJ Medicine and Science in Sports and Exercise 2017 Mar;49(3):413-419〈br> ※Resistance training improves depressive symptoms in individuals at high risk for type 2 diabetes [with consumer summary] Levinger I, Selig S, Goodman C, Jerums G, Stewart A, Hare DL Journal of Strength & Conditioning Research 2011 Aug;25(8):2328-2333
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握力はからだの情報を映しだすモニター
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